詩集:Silent   City

                          2007年製作

 

『静かな街』

みんな青いビルの中に
何かを探しに行ってしまった
だからこの街には人が少なくて
静かだね-
 
静かなんだ
静かなんだ
静かなんだ
 
 
 
 
 

『階段』

幸福を求めて青いビルの階段の中
彷徨っている人たち

みんな
形のない「幸せ」というものを求めて
形のあるものばかり追ってた

みんなこぞって
その先に駆け上がろうとするけれど


一番上の階段の上には
また階段がずっと続いてた

 

「街」
 
振り返ったら
街には
嘘っぱちを謳うウタが
溢れてる

何処かで
困った顔して
1人で
立っている人がいる

気がついたら
街の
いたるところに
安い言葉が
はびこっていて

口を交わすことを
無くなった人々は
また一つ
また1人
街のすみに
追いやられ

だけど それも
もう
消えそうさ
 

 

『see』
その色の向こうにもう一つの色が見える
そのものの向こうに本当のものが見える
 

 

『水晶玉』
目に映るもの達は
水晶玉のように
たくさんの様々な
目に見えないもの達までも
映す

世界はどこまでも続いて
世界は
永遠に広い

 

『一つ』
世界は永遠に広いけど
いつも一つだ

 

『宇宙』

隣の人に触れるとき
隣の宇宙に触れる

遠くの人に会った時
その人の宇宙に触れる
 

 

『月明かり』

月の明かるさで
夜の暗さを知った

闇を知って
彼は幸せを知った

 

『愛の水』
誰よりも 透き通った水をあげよう
この花は
愛を
教えてくれる

 

『季節風』

「おまえは何も知らない」
季節風は優しくそう告げた

 

『叫び』

「誰かの叫びだって
また嘘の優しさに
慰められて
丸められて
流されてしまう」

 


『色』

その色の向こうに
何が見えるの?

 

『お花畑』

足元には
深い沼

だけど少し
首を傾げると そこには
何よりも素晴らしい
お花畑

そっちの方に
歩いていこう

気がついたら
もう 静かな街にいる

 

『親友』
何万人に一人という
親友が
何万人もいる

 

『Don’t think any more』

I don’t know anything.
I can know nothing.
Don’t think any more.

 

『森の声』

街から風に乗って人々の声が届きました。
“環境に優しく
 自然を大切に”

「それって、またヒトのためなの?」
もの心ついたばかりの木の末っ子が 指をくわえながら 言いました。

木のお兄ちゃんは 何も言わずに その素晴らしい緑の葉を
末っ子の頭の上に そっとなだめる様にしておきました

すると 近くにいたきキノコが末っ子の真似をして
こう言いました。
「ソレッテ、ヒトノタメ?」

そこに通りかかった木枯らしが
その声をさらってゆきました

“ソレッテ、ヒトノタメ
ソレッテ、ヒトノタメ
ソレッテ、ヒトノタメ
ソレッテ・・・”
 

 

『愛の子守唄』

ほら ねぇ
耳を澄ませてごらん
声が聴こえてくるね・・・

何の声?
何の声?

叫び声
泣き声

でも ほらぁ
赤ちゃんをあやす子守唄も
聴こえてくるね
 

 

『思う』


人に優しくするって
むずかしい

ぼくは 君が幸せであればと
思います


人を愛するって
むつかしい

ぼくは 
いつも 君達が幸せであればと
おもいます
 

 

『結晶』

君たちは愛の結晶さ
私たちはいつも君のこころの中にいる
 

 

『羽根』
 
神様の
落としてくれた
一本の羽根

たった一本でも
こっちにおいで
と招かれてる

君は優しいし
素直だ
だから おいで

君たちは
みんな 子供だ
君たちは
みんな 天使さ

純粋なものは 何よりも強いんだ
だから 大丈夫

君たちは みんな 天使だ


こっちにおいでよ
一本でも
飛んで行けるさ
飛んでゆけるんだ
だってさ
君たちは みんな
天使なのさ
君たちは みんな
天使なんだ

一本だって
補ってゆくんだ

 

『ハートの割れ目に咲いた花』

ハートの割れ目に
花が咲いた

今まで見てきた
どんな花より違ってた


ハートの割れ目に
咲いた花は
涙だけを養分とし
育っていった

ハートの割れ目に
咲く花は
今までの何より
美しく
すこやかだった

ハートの割れ目から
咲いた花は
今では愛を養分とし
雲の上まで
伸びてった

ハートの割れ目から
生まれた花は
愛という種子を作り
空から
バラバラと
配り落としていった
 

 

『犬牧場』

ぼくら犬で
キャンキャン ほえる

ぼくら犬で
キャンキャン わめく

そんなぼくらの
まわりを
包んでいる
大きな わっかみたいな
まなざし

あまりに
純粋で
すきとおりすぎて
時に
わからない

あまりに 優しくて
やわらかすぎて 手に
触れれない

ぼくらには
あまりにも
大きすぎて
触れれない

ぼくらには
あまりにも
大きすぎて
気づけない

ぼくらには
大きすぎて
気づけない
けれど

 

『human always cry.』

human always born.

human always cry.

human is always smiling.

human always kill.

human always be killed.

human always die.

human always cry.

But,God is always loving us.
 

 

『サイレント・サイレン』
 
このしずかな街で(サイレント)
サイレンが鳴ってる
 
サイレント-
-サイレン
サイレント-
-サイレン
 
君には聞こえるかい?
この静かな街で
サイレンが鳴ってる
 
サイレント-
-サイレン
サイレント-
-サイレン
 
君にはきこえるかい
人々の
叫びごえ
 
サイレント・サイレン
 
サイレント・サイレン
 
この静かなまちで-
 
 
このしずかなまちで
あまりに静かに鳴っている